「あの件、誰が知ってるんだっけ?」から始まる日常

木村さん、ちょっと相談したいことがありまして

なになに?

最近、現場で『あれ、これって誰に聞けば分かるんだっけ?』ってなることが増えてきたんですよ

ああ、情報の場所が分からなくなる感じ?

そうなんです。
記録を見れば分かることもあるんですけど、ちょっとした申し送りとか、以前聞いた話になると、結局詳しい職員を探すことになって

なるほどね

しかも、その人がお休みだと、そこで止まっちゃうんですよね

わかるなぁ。それ、うちでもあったよ

木村さんのところでもですか?

うん。「分からなかったら○○さんに聞けばいい」で、なんとなく回っちゃうんだよね

まさに、うちもそんな感じです

それって「情報がわからない」というより、「どこを見れば分かるか」が決まってないのかもしれないね

確かに、そこはあまり考えたことがなかったかも…。
「情報がない」のではなく、「どこにあるか分からない」
現場では、申し送りや記録、会議など、情報を共有する機会そのものはあります。
それでも「○○さんに聞かないと分からない」という状態になるのは、必要な情報がどこにあるのか、決まっていないからかもしれません。
個人の記憶やメモ、口頭での申し送りなど、情報がいくつかの場所に分かれていると、まず「誰が知っているか」を探すことになります。

情報共有を見直すとき、まず考えたいのは「どんなツールを使うか」ではありません。
「この情報は、どこを見れば分かるのか」。
その場所が決まっているか、一度確認してみましょう。
ツールがあるのに、なぜ「人に聞く」のか?

でも、うちも介護記録のシステムは使ってるんですよ。連絡用のツールもありますし

うん。それでも『人に聞かないと分からない』ってこと、あるよね

そうなんです。どうしてなんでしょう?

そのツールって、何をどこまで入れるか決めてる?

そこまでは決めてないですね。記録は記録、連絡は連絡、くらいで……

そこかもしれないね

え?

ツールがあることと、情報の置き場所が決まってることって、別なんだよ

というと…?

たとえば、正式なケア記録はシステムに入れる。でも、ご家族とのちょっとしたやり取りとか、現場で気づいたことは?

……人によって、メモだったり、口頭だったりしますね

うん。
そうなると、結局「あの人に聞けば分かる」になっちゃうんだよね

なるほど。
ツールを入れただけでは、情報の流れまでは変わらないんですね
ツールを導入するだけでは、情報共有は変わらない
情報共有ツールや介護記録システムは、現場の情報を残すための便利な手段です。
ただし、「何を記録するのか」「どこに残すのか」「誰が確認するのか」が決まっていなければ、情報は別の場所へ流れてしまいます。
結果として、ツールに入っている情報とは別に、個人のメモや記憶の中に情報が蓄積されていくことがあります。

「ツールがあるか」ではなく、「必要な情報が、決められた場所に残る状態になっているか」を確認してみましょう。
どうして情報は、特定の人に集まってしまうのか?

でも、そもそもなんで特定の人に情報が集まっちゃうんでしょうね?

いくつか理由はあると思うよ

やっぱり、現場が忙しいからですか?

それは大きいね。
わざわざ文章にして残すより、目の前の仕事を優先したくなるから

確かに。「あとで書いておこう」と思って、そのままになったりします

もう一つは、ベテランの人ほど、自分が持ってる情報に気づいてないことかな

どういうことですか?

長年やってると、経験で自然に判断してることってあるでしょ?

ありますね

本人からすると当たり前だから、「これ、他の人も知ってるよね」って思ってたりするんだよ

ああ……。本人にとっては、わざわざ残すほどのことじゃないんですね

そうそう。だから、悪気なく情報がその人の中に溜まっていく

なるほど……。それだと、周りも気づきにくいですね
「暗黙の知識」が、情報の偏りを生む
長く現場にいる職員には、経験を通して身につけた判断や対応のコツがあります。
それは施設にとって大切な知識ですが、本人にとっては「いつものやり方」であることも少なくありません。
そのため、あえて言葉にして残す機会がないまま、情報が特定の人に集まっていくことがあります。
「誰かが情報を抱え込んでいる」のではなく、気づかないうちに情報が人に紐づいている。
ここが、情報共有を考えるうえで見落としやすいポイントです。

「○○さんに聞けば分かる」という状態があったら、その人が持っている情報の中に、ほかの職員にも共有しておいたほうがいいものがないか、考えてみましょう。
「人に聞けば分かる」で、本当に困らない?

でも、分からなければ詳しい人に聞けばいい、という考え方もありますよね

うん。普段はそれで困らないことも多いよね

そうなんです。だから、つい後回しにしちゃうんですよ

でも、その人がお休みしたら…

困っちゃいますねぇ

更に、急に退職したら?

もっと困りますね(笑)

そうなんだよね。普段は問題なくても、人が変わったときに一気に表に出てくる

確かに。『あの人に聞けばいい』がなくなると、急に何も分からなくなりますね

新人さんも大変だと思うよ

ああ、それは確かに。
何か分からないたびに、まず「誰に聞けばいいんだろう」から始まりますもんね

そう。聞くこと自体が悪いわけじゃないけど、毎回人を探すところからだと、結構疲れるんだよね
「聞けば解決する」は、情報共有の仕組みとは少し違う
「分からなければ、詳しい人に聞く」。
これは現場にとって、とても自然な方法です。
ただ、情報を持っている人が休んだり、退職したり、担当が変わったりすると、その方法だけでは対応しづらくなります。
また、新しく入った職員にとっては、「何を聞けばいいか」だけでなく「誰に聞けばいいか」から考えなければなりません。

情報共有の目的は、「人に聞くことをなくす」ことではありません。
必要なときに人へ確認する前に、「まずここを見れば分かる」という状態をつくることが、現場の負担を減らす一歩になります。
ツールを増やす前に、「情報の定位置」を決める

じゃあ、「人に聞かないと分からない」を減らすには、どうすればいいんでしょう?

まずは、新しいツールを入れる前に、今ある情報を整理してみたらいいと思うよ

整理、ですか?

うん。「この情報なら、ここを見れば分かる」っていう場所を決めるんだよ

なるほど

最初からきれいなマニュアルを作らなくてもいいからね

箇条書きのメモでもいい?

うん。それで十分。大事なのは、探す場所が決まってることだから

ああ。それなら、まず始められそうです

そうそう。やってみて足りないところが出てきたら、その都度足していけばいいんだよ
完璧なマニュアルより、「ここを見れば分かる」
情報共有を見直すとき、最初から完璧なマニュアルを作る必要はありません。
まずは、
- この情報はここに残す
- 困ったときはここを見る
- 情報が変わったらここを更新する
というように、情報の定位置を決めるところから始められます。
大切なのは、情報をきれいに整理することだけではありません。
「誰かに聞かなくても、まず自分で確認できる」状態をつくることです。

情報共有のゴールは、全員がすべての情報を覚えることではありません。
「ここを見れば、必要な情報が分かる」場所を少しずつ増やしていくことから始めてみましょう。
その「人に聞かないと分からない」は、Webでも起きていませんか?

そういえば木村さん。今の話って、Webサイトの管理でも同じかもしれないですね

うん。実はそこも結構似てるんだよね

うちも、ホームページのことは前の担当者に聞けば分かる、みたいになっていて……

その人、今もいる?

……いないです(笑)

やっぱり(笑)

ログイン情報とか、サーバーの契約情報とか。
誰が持ってるのか、ちゃんと把握できてないものもあります

それも、「人に聞けば分かる」のと同じ状態なんだよね

確かに。普段は困らないから、気づいてなかったです

そうなんだよ。担当者がいるうちは、それでも回っちゃうからね

でも、その人が辞めたら一気に困る

うん。だから、現場の情報だけじゃなくて、Webの管理情報も「誰が知っているか」じゃなくて、「どこを見れば分かるか」にしておいたほうがいいんだよ

なるほど。現場もWebも、考え方は同じなんですね
Webサイトも「人に紐づいた情報」になっていないか
ここまで見てきた「情報が人に集まる」という問題は、介護現場だけに限りません。
ホームページやドメイン、サーバー、各種アカウントなどのWeb資産も、
「詳しい人に聞けば分かる」
「前の担当者なら知っている」
という状態になっていることがあります。
普段は問題なくても、担当者の異動や退職をきっかけに、急に管理できなくなることもあります。
現場の情報と同じように、Webに関する情報も「誰が知っているか」ではなく、「どこを見れば確認できるか」を決めておくことが大切です。

「人に聞かないと分からない」という状態は、現場だけの問題ではありません。
Webサイトや各種アカウントについても、誰が・何を・どこで管理しているのかを一度確認してみましょう。
「人に聞く」から「ここを見れば分かる」へ
介護施設で情報共有がうまくいかないとき、「ツールが足りないから」と考えてしまうことがあります。
でも、今回のように見ていくと、問題はツールの有無だけではありません。
「知っている人に聞く」が一番早い状態になっていないか。
「ここを見れば分かる」という情報の定位置があるか。
まずは、日々の業務の中で「○○さんに聞かないと分からない」となっていることを、一つだけ探してみるところから始めてみましょう。
そして、現場の情報と同じように、法人のWebサイトや各種アカウントについても、「特定の人がいないと分からない状態」になっていないか、一度確認してみることが大切です。
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現場の情報共有と同じように、Webサイトや各種アカウントも「担当者に聞かないと分からない」状態になっていないでしょうか。
まずは、現在のWeb管理がどのような状態になっているか、無料診断ツールでチェックしてみましょう。
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「Web経営リスク診断」
現在のWeb運用状況を確認しながら、
自法人の管理状態を見直すきっかけとしてご活用いただけます。
まずは今の状態を確認するところから、始めてみませんか?